修行の本質とは何か。 〜肩書よりも人柄、成功よりも信頼〜

*肩書よりも人柄


最近、ふと思った。

人生を長く生きていると、
肩書が増える人もいる。

社長。
オーナー。
先生。
職人。

だけど、不思議なことに、
本当に魅力を感じる人は肩書ではなく
人柄で覚えている。

「あの人、優しかったよね」

「あの人、誠実だったよね」

結局、人の記憶に残るのは役職ではなく生き方なんだと思う。


*成功よりも信頼

飲食店をやっていると、
成功とは何かを考えることがある。

売上が上がることなのか。

予約が埋まることなのか。

もちろん、それも大切だ。

だけど、僕は最近こう思う。

成功は一瞬でも作れる。

でも信頼は積み重ねでしか作れない。

市場での挨拶。

仲卸さんとの付き合い。

お客様との約束。

ひとつひとつの積み重ねが信頼になる。

信頼があるから魚を任せてもらえる。

信頼があるからお客様が
大切な人を連れてきてくれる。

信頼があるから店が続いていく。



*競争よりも調和

昔は周りばかり見ていた。

あの店より上手くなりたい。

あの店より繁盛したい。

そんなことばかり考えていた時期もある。

でも今は少し違う。

誰かを負かしたいわけじゃない。

自分にしかできないことを磨きたい。

だから僕はお客様に他のお店も紹介する。

亀有の店も。

金町の店も。

草加の店も。

飲食店同士で奪い合うより、
地域全体が盛り上がった方がずっと良い。

自分だけが良ければいいという考え方は、
どこか寂しい。



*奪うよりも与える

寿司職人という仕事は面白い。

魚を仕入れて、
技術を使って、
お金をいただく仕事。

でも本質は違う気がする。

お腹を満たすだけならコンビニでもできる。

僕たちが提供しているのは、
少しだけ幸せな時間だ。

美味しかった。

楽しかった。

また来たい。

そう思ってもらえたなら、
それは寿司を売ったのではなく、
価値を与えられたということなんだと思う。



*最後に

肩書よりも人柄。

成功よりも信頼。

競争よりも調和。

奪うよりも与える。

若い頃の僕は、
きっと逆を追いかけていた。

でも、寿司を握り続け、
たくさんの人と出会い、
たくさん失敗してきた今だからこそ思う。

人生の最後に残るものは、
どれだけ手に入れたかじゃない。

どれだけ人に与えられたか。

師匠から教わった

「死んではじめて一人前」

という言葉の意味も、
少しずつ分かってきた気がする。

いつか人生を終える時、

「あの人の寿司、美味しかったな」

そう誰かの記憶に残れたら。

それ以上の成功は、
きっとない。

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